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朝露に濡れながら

まだ、小学校の下級生だった頃のカブトムシ採りが懐かしく思い出されます。

上級生のガキ大将に前日、「明日は早く起きろ」と命令され、翌日、5、6人で、小高い丘に向かいます。朝もやの中、藪と雑草をかき分け、朝露に濡れながら、小一時間かけ目指すと目をつけておいたこならの木に着きます。カブトムシやクワガタが、夜の間の満ち足りた食事で動きが鈍くなっているのを狙い、捕まえます。

もちろんガキ大将が一番形の良いものを取りますが、全員に収穫があるまで、近くの木々を何本もみんなで調べます。いつの間にか朝日が昇り、その中をガキ大将を先頭に、満ち足りた気分で来た道を下り戻ります。

あの時の虫とりは、自然の中で遊ぶ楽しみと、仲間との付き合い方教えてくれたのだと思います。